文字体系の設計 ハングルの本

野間秀樹 「ハングルの誕生」 平凡社新書

<正音>がいかにうまく設計された文字体系なのか、納得させられた。

  • 文字の部品である字母が音素に対応すること
  • 字母を組み合わさってできる一文字が音節に対応すること
  • 必要なら一文字で形態素に対応するようにできること
  • 字母自体が発声器官の様子をかたどっていること

「驚くべきことに、<訓民正音>は、言語学が20世紀を迎えて到達した<音素>へとほとんど到達していた」、、、ということなのだけど、実際のところアルファベットもおおむね音素文字といえそうだから、「20世紀」とまで言われているのは、いまいちすっきり理解できなかった。 「インドゾウ」というときの/ゾ/と、「ゾウ」というときの/ゾ/では、日本語の音素としては区別しないけれども、音声としては異なるよ、なんて話を聞いたことがある。 そのあたりがすでにどうやら19世紀なんではないかしら。 といっても、区別しない音を文字の形に表現してもうれしくはないけど。

アルファベットとかと違って、ごく少数の人が、ごく短い期間に文字体系を設計するという事例は歴史上ほかにももろもろあるんだろうと思う。 思うんだけど、<正音>以外のものは現在あんまり流通してなさそう。 そうすると、<正音>がいまとてもよく使われているのはどうしてか。 それだけうまく設計されていたからだ、というのはひとつの理由かもしれない。 けれどもそれだけかしら。

それにしても、漢字がことさら尊ばれる文化圏にあって、まったくことなる方式を流通させるに至るとは、なんとまあものすごいことであるなあ。 できばえには自信があっただろうけれども。 その後、いろんな努力をしたらしいことも書いてあったような気がするけれど忘れてしまった。

--この本を手にとるような人には不要かと思えるような、用語に関する注意点(「国語」とか、「ハングル」は文字体系の呼称であって言語のではないこと とか)からわざわざはじめている、、、のは、やっぱりそういうわけなのかどういうわけなのか。

About azumih

Computer Programmer
This entry was posted in books, linguistics and tagged , , . Bookmark the permalink.

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s